こちらのページの内容はCAN-Japanとしてのポジションです。

 

CAN-Japan共同声明

 

気候危機を乗り越えるため、国連気候サミットで約束を

日本政府はパリ協定の1.5℃目標に沿って、2030年目標を引き上げるべき

2019年9月2日※

Climate Action Network Japan(CAN-Japan)

今年9月23日、国連本部のあるニューヨークにて、国連気候行動サミット(UN Climate Action Summit)が開催されます。昨今、日本の大型台風、水害、熱波を含め、世界中で気候危機が深刻化していますが、各国政府の温室効果ガス排出削減目標は不十分なままです。サミットは、こうした状況をうけて、アントニオ・グテーレス国連事務総長が各国首脳に参加を呼びかけ、国連総会に併せて開催する、極めて重要なものです(1)。

昨年10月、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が発表した特別報告書「1.5℃の地球温暖化」は、産業革命前からの気温上昇が2℃でも極めて深刻な影響があること、1.5℃でさえも悪影響を完全には避けられないことを明らかにしました(2)。他方、各国政府が掲げる2030年までの排出削減目標は、すべて達成されたとしても約3℃上昇につながる不十分なものであり、将来世代に破滅的な運命を押し付けかねない状況にあります。このままのペースで温暖化が進めば、2030年頃には「1.5℃上昇」に達しうるとの予測もなされています。

つまり、残された時間はあとわずかであり、2030年目標を引き上げなければ、「1.5℃未満」実現のチャンスを失ってしまうことになります。現行の目標を引き上げ、化石燃料ゼロ・再生可能エネルギー100%への転換を速やかに始めなければ、気候危機を防ぐことはできません。国際社会では、かかる危機感をもとに、子どもや若者が学校を休んで対策の必要性を訴える気候ストライキが広がり(3)、国、自治体、企業、金融機関、教育機関、宗教団体など多様な主体が「気候非常事態宣言」(4)や脱石炭目標(5)、再エネ100%宣言(6)、ダイベストメント(化石燃料への投融資取りやめ)(7)、カーボン・ニュートラル宣言(8)などの脱炭素のイニシアティブに参加し、行動し始めています。

しかし、日本では気候変動への危機感が著しく乏しく、本来減らすべき石炭火力発電を国内外で逆に増やすなど、対策も周回遅れです。私たちは、このサミット開催の重要な機会に際して、政府に対し、次の行動をとるよう求めます。

 

1.    安倍総理は、9月23日の国連気候行動サミットに出席し、日本政府としてIPCCの1.5℃特別報告書を受け止め、1.5℃目標をめざす立場を明らかにし、これに沿うように日本の気候目標や対策を強化すること、また緑の気候基金(GCF)の増資において日本からの資金の貢献を倍増させることを公式に表明すること。

2.      日本政府として、現在の日本の国別約束(NDC)にある2030年の排出削減目標(2013年比で年26%削減=1990年比で18%削減)が、1.5〜2℃未満目標の達成に不十分な水準であることを受け止め、この目標を引き上げ、国連に再提出するプロセスを速やかに開始すること。また、国別約束の検討及び再提出にかかるプロセスには市民社会の参加を確保すること。

3.      日本政府は、国別約束を強化して再提出することと連動して、地球温暖化対策計画及びエネルギー基本計画の改定を進めること。その中で、原子力・石炭重視の方針を前提とする従来の政策を撤回するとともに、省エネと持続可能な再エネ100%への転換を図ること。並行して、化石燃料への補助金や減税などの化石燃料優遇策をやめ、カーボン・プライシングを強化して省エネルギーを徹底すること。

 

また、私たちは、日本国内の政府以外の全てのアクターである市民一人ひとり、自治体、企業に対して、気候危機がすでに人々の生命や暮らしを脅かす非常事態となっている現実に向き合い、日本政府が気候対策を強化するよう、ともに求めることを呼びかけます。そして、今回のサミットの機会に、声をあげて行動する世界中の市民と連帯し、9月20日から実施される子ども・若者主導の世界一斉アクション「グローバル気候マーチ(Global Climate Strike)」(9)に参加し、対策強化に向けて行動することを呼びかけます。

以上

 

【脚注・参考情報】

1.      国連気候行動サミット

URL: https://www.un.org/en/climatechange/un-climate-summit-2019.shtml

2.      IPCC1.5℃特別報告

URL: https://www.ipcc.ch/sr15

3.      気候ストライキ Fridays For Future

URL: https://www.fridaysforfuture.org

4.      気候非常事態宣言

URL: https://climateemergencydeclaration.org

5.      脱石炭に向けたグローバル連盟

URL: https://poweringpastcoal.org

6.      自然エネルギー100%プラットフォーム URL: https://go100re.jp

RE100 URL: http://there100.org

7.      化石燃料ダイベストメント:1000機関900兆円超

URL: https://world.350.org/ja/1000divestment

8.      カーボン・ニュートラル連合

URL: https://www.carbon-neutrality.global

9.      グローバル気候マーチ

URL: https://ja.globalclimatestrike.net

 

2019年9月5日付で本声明を修正し、再発表しました。修正点は、要請事項1.に、GCF増資への貢献について追加したものです。

 

問合せ:

Climate Action Network Japan(CAN-Japan)事務局

〒604-8124京都府京都市中京区帯屋町574番地高倉ビル305気候ネットワーク内

MAIL: secretariat@can-japan.org TEL: 075-254-1011 FAX: 075-254-1012