プレスリリース

COP28にて日本が再び「本日の化石賞」を受賞

2023年12月5日 アラブ首長国連邦・ドバイ

Climate Action Network Japan

 12月5日、アラブ首長国連邦のドバイで開催されている第28回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP28)にて、日本が「本日の化石賞(Fossil of the Day)」第3位を受賞した(他の受賞国はアメリカ、ロシア)。12月3日に岸田首相のスピーチに対し賞が贈られたことに続いての受賞である。12月3日の「本日の化石賞」においてグリーンウォッシュだと批判を受けた「排出削減対策を講じられていない石炭火力の新規建設の終了」を脱炭素の取り組みとして世界にアピールする日本政府の方針に、あらためて世界の市民社会が厳しい評価を下したものだ。

 「本日の化石賞」は、気候変動交渉・対策の足を引っ張った国に毎日贈られるもので、その国に対する批判と改善への期待の意味が込められている。化石賞を主催するClimate Action Network(CAN:気候行動ネットワーク)は、130カ国の1800以上の団体からなる世界最大の気候変動NGOネットワークであり、世界各地で活動するNGOが受賞者を決定する。

日本の受賞理由についてのClimate Action Networkのプレスリリース日本語訳

本日の化石賞、第3位は日本

 日本は12月3日の受賞に続き、またもや「本日の化石賞」を率先して受賞したことに大喜びしたでしょう!日本が「化石賞大賞(colossal fossil)」の受賞を狙っているのは明らかですね。

 ネガティブな評価をうけたことを反映し、改善を検討するどころか、日本は自らの脱炭素戦略を悪い方向に強化しました。日本の脱炭素の焦点は排出削減対策を講じられていない石炭火力発電所の新規建設をおこなわないことにあると、全く的外れなことを「明言」したのです。

 これが、すでに6カ月以上前のG7首脳サミットで約束されたものだとがっかりしないでください。
日本政府は、この政策が計画中の石炭火力発電所の建設や、老朽化した石炭火力発電所へのレトロフィッティングによる延命だと言うのを都合よく忘れていて、さらに、170基を超える石炭火力発電所のフェーズアウト計画がないことも言い忘れています。

 先進国の一員として、パリ協定の1.5℃目標達成のために、日本には2030年までの石炭火力フェーズアウトが求められています。それにもかかわらず、日本のエネルギー基本計画では2030年になっても石炭火力を実に19%を使い続けることになっています。もちろん、石炭火力廃止の期限やロードマップはありませんよ!

CANについて

Climate Action Network(気候行動ネットワーク、CAN)は130カ国・1800を超える環境NGOの世界的なネットワークです。人間活動が起こした気候変動を、生態学的見地から持続可能なレベルまで抑制するために政府や個人の行動に働きかけています。www.climatenetwork.org

本日の化石賞について

「本日の化石賞」はドイツのNGOフォーラムによって、1999年にボンで開催された気候変動交渉の場で初めて発表されました。国連気候変動枠組条約締約国会議(www.unfccc.int)などにおいて、CANのメンバーが、交渉の進展やパリ協定の実施を妨げるために「最善」を尽くしたと判断された国に投票します。

本日の宝石賞について

CANは国連気候変動枠組条約締約国会議などの交渉において希望の光となる国々に「本日の宝石賞」を授与しています。

以上

お問い合せ先

Climate Action Network Japan(CAN-Japan)事務局
〒604-8124京都府京都市中京区帯屋町574番地高倉ビル305気候ネットワーク内
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