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G7のリーダー達は、エネルギー転換の気運を高められる:NGOからリーダーへ

6月5日(金)ードイツ、エルマウ:ドイツのエルマウでのG7サミットを前に、G7を構成する全7か国のNGOは、各国のリーダーに、化石燃料の時代が終わるという強いシグナルを発信するよう求めている。世界最大の工業国として、G7には、より一層、そしてより早急に、各国の経済の急速な脱炭素化と貧困国への支援を通じて気候変動問題に取り組む国際的な責任がある。G7の強固な約束は、今年の末にパリで決定される新たな世界的気候合意への道を開く助けとなりうる(パリ合意に向けた議論は、現在ボンで進行中である)。

気候科学によると、手に負えないような気候変動を避けるためには、100%再生可能エネルギーの世界経済を選び、化石燃料による温室効果ガス排出をフェーズアウトしなければならない。この新しい現実は、世界の主要な経済主体や企業に広く認識されるようになりつつある。今こそ、G7が、2050年までに化石燃料排出フェーズアウトで先導することで合意し、気運を大きく盛り上げる時だ。

脱炭素化は、最も汚いエネルギー資源である石炭に正面から取り組むことから始まる。化石燃料企業は貧困削減のためには排出増はやむを得ないと主張しているが、それはあたらない。本日公表されたアフリカ・プログレス・パネルの報告書によれば、石炭火力発電はアフリカの開発問題の解決にはならない。我々はG7のリーダー達に対し、国内の石炭利用をフェーズアウトすること及び、発展途上国における石炭事業支援を止めるよう求める。

貧困をなくしていくためには、安定した気候が必要だ。最も裕福な国々は、途上国におけるクリーンエネルギー、気候変動につながらないような開発、気候レジリエンスへのアクセスを支援しなければならない。

G7各国のNGOによるコメント

Christoph Bals、 ジャーマン・ウォッチ(ドイツ)

「G7は投資家に対し、化石燃料の時代が終わりつつあるという強いメッセージを発信する必要がある。アンゲラ・メルケルはG7の議題に脱炭素化目標をおいた。しかし、自国の2020年目標のために断固たる国内行動をとって初めて、メルケル首相は信頼に値する脱炭素化のチャンピオンになる。そのためには、ドイツの電力構成における石炭発電を2020年までに大幅に減らす必要があるだろう」

Alden Meyer、 憂慮する科学者同盟(アメリカ)

オバマ大統領は自国の気候行動を強化することで真のリーダーシップを示してきており、パリでの強力な気候合意を明確に求めている。彼はコペンハーゲンにおいて、先進国が途上国へ1000億ドルを拠出する約束を導いたが、これを確実にやり遂げられるようにしなければならない。オバマ大統領と他のG7のリーダーたちは、気候変動の最悪の影響を回避するために必要なリーダーシップを発揮するために、今世紀半ばまでに自国の経済を脱炭素化する約束をするべきである

Celia Gautier、 CANフランス(フランス)

「フランスは今年のCOP21の議長国である。オランド大統領は2050年までに化石燃料のない未来を実現する必要性を再確認し、G7で前進するべきだ。彼はまた自らの振る舞いを正すべきだ。国有の二企業― French utilities EngieとEDF―は未だに海外の石炭に巨額の投資を行っており、フランスの炭素汚染の半分を排出している。しかし、二企業ともパリのCOPのスポンサーだ。COP21より前に、これらの企業に石炭への投資をやめる約束をすることを求めるのが、フランソワ・オランドの責任である」

Liz Gallagher、 E3G(イギリス)

「デーヴィット・キャメロンは、貧困と戦うと約束したリーダーとして、気候の安定が貧困削減に不可欠であることを知っている。2015年は、すべての国が参加するという意味で、気候と開発の両面で決定的に重要な年だ。デーヴィッド・キャメロンとG7は、互いを貶めるのではなく、開発と気候のために共に行動し、21世紀の目標にふさわしい新しい発展のモデル実現のため陣頭指揮をとらなければならない」

平田仁子、気候ネットワーク(日本)

「日本は、海外の石炭への投資や明確な脱炭素化目標に関するG7の決定的に重要な決定の妨害を、ただちにやめる必要がある。安倍晋三首相は、国内外での石炭火力発電の推進や貧弱な温暖化対策目標案がパリ合意に向けた国際協力の努力を危険にさらすという事実を直視するべきだ。我々はその他のG7諸国に前に進むことを強く求める。」

Dale Marshall、 環境防衛(カナダ)

「我々は他のG7諸国に対し、今世紀半ばまでに脱化石燃料をしようという合意をカナダが妨害しようとしてもそれに屈しないよう求める。カナダにおいて、連邦政府は自国において急拡大する炭素汚染源であるアルベルタのタールサンド問題に対処する必要がある。国中の市民は、カナダ政府が前へ進み、G7と国際的なリーダーの一員として意義のある温暖化対策をとることを望んでいる」

Vittorio Cogliati Dezza、レガムビエンテ(イタリア)

「イタリアは公平にその役目を果たさなければならない。マッテオ・レンツィは直ちにアドリア海とシチリア海峡の掘削への支持を取りやめなければならない。同時に、イタリア政府は再生可能エネルギーとエネルギー効率を重要な2本柱として国の温暖化対策の計画に位置づけなければならない」

 

問い合わせ

上記のNGOメンバーへの取材等の問い合わせはCAN InternationalのRia Voorhaarまで。

電話: +49 157 3173 5568 メール:rvoorhaar@climatenetwork.org

 


 

これは、CANインターナショナルのプレスリリース”G7 leaders have a chance to create climate of confidence on energy transition: NGOS to leaders“の暫定日本語版です