2026年4月22日
Climate Action Network Japan(CAN-Japan)

 

現在、国会において提出されている太陽光パネルのリサイクルに関する法案は、今後大量に発生する使用済みパネルへの対応として重要な一歩です。再生可能エネルギーの拡大と資源循環の両立を図る観点から、本制度の創設自体は評価されます。

太陽光発電は、気候変動対策およびエネルギー自給率の向上の観点から、今後、可及的速やかな導入拡大が求められる重要な電源です。
その持続的な普及のためには、太陽光パネルに対する不安を払拭し、社会的な信頼を確立することが不可欠です。とりわけ、使用済み太陽光パネルの大量廃棄時代を見据え、確実に機能するリサイクルシステムを構築することが強く求められます。

今後の詳細な制度設計の如何によっては、適切なリサイクルが進まず、不適切処理や埋立に伴う最終処分場の逼迫といった問題が発生する懸念も指摘されています。とりわけ、排出事業者・所有者の判断に委ねられる部分が大きい場合、コスト優先の選択によって、リサイクルルートに乗らないケースが生じる可能性があります。

私たちは、本制度が真に機能し、すべての使用済み太陽光パネルが確実に適正処理・リサイクルされる仕組みとなるよう、以下の点を強く求めます。

1.リサイクルを実質的に義務化する判断基準の明確化 

リサイクルが「選択肢の一つ」にとどまり安易に埋立処理が選ばれることのないよう、原則としてリサイクルが選択される制度とすべきです。

そのため、判断基準において、単なる努力義務ではなく、埋立処理よりもリサイクルを優先する明確かつ厳格な基準を設けることを求めます。

2.厳格なトレーサビリティの導入と計画・実績の公表 

太陽光パネルについては、導入時から使用後の廃棄、最終処分までを一貫して追跡できるよう、トレーサビリティの運用を厳格に規定すべきです。加えて、各排出事業者のリサイクルへの取組みの透明性を高めるためにも、廃棄実施計画や実績について公表することが必要です。

3.費用負担の適正化とインセンティブ設計 

リサイクルがコスト面で埋立処理に対して不利とならないよう、適切な費用負担の仕組みを構築する必要があります。特に、排出時点での費用確保や積立金制度の導入などにより、安価な不適正処理が選ばれない制度設計を求めます。 

4.将来の大量廃棄に備えた処理能力の確保 

今後の太陽光パネル大量廃棄期に備え、国内のリサイクル処理能力の拡充を計画的に進める必要があります。制度導入と並行して、インフラ整備を確実に進めることを求めます。 

5.リユースとの関係整理 

リユースは資源循環の観点から重要であるため、リサイクルよりもリユースを優先的に選択できるよう、リサイクル制度との整合を図っていく必要があります。不適切な品質の太陽光パネルが海外流出している事例もあることから、リユース市場とリサイクル市場において品質をそれぞれ確保できるようにチェック体制などを整えることが必要です。

こうした基盤が整備されてこそ、太陽光発電は多くの市民にとって安心して受け入れられるものとなります。

本制度が形骸化することなく、資源循環と環境保全の双方に資する実効性ある仕組みとなるよう、国会および政府に対し、責任ある審議と制度設計を強く求めます。

以上

参考